素材と水
水との関わり
雨や飲み水など、私たちの生活と切っても切れない関係にある水。そして、そこに関わる素材には様々な機能を持つものがあります。そんな水に関わる素材を紹介します。
水中で分解される釣り糸、疑似餌
水辺の環境と深い関わりを持つ魚釣り。その中でも釣り糸をはじめとして、水中に残ってしまうゴミが問題になっていて、それを改善するための製品として生分解性の釣り糸やワームがあります。しかし、他の製品と比べ、強度や保存性など道具としての利便性が低いうえにコストもかかるため、ほとんど普及していないのが現状です。
水中で使われるものを水中で分解されるようにするというのは、矛盾があって難しい課題だと感じました。
生分解性ラインやワームで釣りをしたことがありますか? 釣り場は釣り人の手で守るべき時代がもうそこまで来ています | 羅針盤 -会長山下からのメッセージ-| NBCNEWS
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防水なのに透湿GORE-TEX
GORE-TEXとは、防水透湿機能を持った素材で、その性質からレインウェアなどに使われている。GORE-TEXは、防水と透湿というそれまでは難しいと考えられていた2つの性能の両立を実現させました。
GORE-TEXは、2〜3層になっていて、GORE-TEXメンブレン に表地と裏地を貼り合わせて一枚の生地になっています。防水透湿機能を主に担っているのがGORE-TEXメンブレンで、1インチ四方に90億個の孔があります。これらは水滴の20,000分の1という非常に小さな孔で、水滴が入り込む余地はありません。また、孔は、それぞれ蒸気分子の700倍以上の大きさであるため、汗を排出する通り道となります。しかしGORE-TEXメンブレンは、非常に柔らかく、服にするのが難しいため、用途に合わせた生地を貼り合わせて作られています。
アウトドアウェアのイメージが強いGORE-TEXですが意外な用途にも使われているようです。GORE-TEXに使われているメンブレン(ePTFE)は人体の体に埋め込んでも生体反応が起きにくいことから、人工血管や縫合糸など医療分野で4000万例以上もの使用例があります。
「ゴア® 寝装プロダクト(GORE® Bedding products)」という素材ブランドで寝装寝具の分野でも活かされています。羽毛などの充填物を外へ出さず、ハウスダストや汚れから、寝装品の中身を守る。汗などによる湿気を効果的に透過させる高い透湿性など高度なフィルター機能と快適性が、寝装寝具を「清潔・きれい・衛生」に保ちます。
GORE-TEX メンブレン
従来の GORE-TEX プロダクトシリーズ の製品が防水性、防風性、そして透湿性に優れている理由と「メンブレン」が関係していることはご存知かもしれません。では、この「メンブレン」とは一体何なのでしょうか?どのような仕組みなのでしょうか?ご心配なく、ここから明らかになります。GORE-TEX メンブレンについて知っておくべき情報をすべて、ご案内いたしましょう。 まずはその誕生から。 …
湿度を調整する珪藻土
珪藻土は、植物性プランクトン類の化石・珪藻殻の堆積物によって形成された地層のことです。多気孔質からなす無数の小さな小さな「穴」が水分を瞬時に吸収。そして吸収した水分が一定量に達すると、自立呼吸により水分を放出します。
もともと壁材などに使われていた珪藻土ですが最近では、その性質や手触りの良さなどから様々な雑貨としても展開されています。やはり調理器具や傘立てなど吸水・速乾性が活かされているものが多いです。
今回は調湿性のについて述べましたが耐熱性のうなど他にも様々な利点のある珪藻土、魅力的な質感で多機能な自然素材には様々な可能性がありそうです。
水に溶ける紙、水に強い紙
水に弱いイメージの紙ですが、逆にその性質を高めて利用しようというのが水溶紙です。水に溶ける紙といえばトイレットペッパーがありますがトイレットペーパーは水解紙といって水につけると繊維がバラバラになるというものです。水溶紙は灯籠流しや、機密情報の書類、紙石鹸などに使われているようです。
逆に水に強い耐水紙というものがあります。中でも石灰石にポリエチレン樹脂を合成して作られるストーンペーパーは耐水はもちろんですが、作る際に水を一切使わず排水も出さず、木材なども使わないことから水質汚染をしないことや資源保護など環境に優しい素材として注目されています。
まとめ
水は、雨の日は憂鬱になったり、水害を起こしたりする一方で、生活には無くてはならないものでもあります。逆に私たちの生活も水質汚染などの影響を与えています。
そんな水と上手く付き合っていく為にも様々な素材をいかしていきたいですね。